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急性・慢性腰痛症 ぎっくり腰等の鍼灸治療

腰痛症の概要

 腰痛を起こす主な原因には外傷、過労、特定作業や不良姿勢などによって筋や靱帯が損傷されて発症するもの。腎臓結石、胆石、尿管結石、胃十二指腸潰瘍、糖尿病、子宮筋腫などの内臓の病変によるもの。椎間板ヘルニア、変形性腰椎症、脊椎分離症、脊柱管狭窄症などの骨の変性によるもの。その他に仙腸関節疾患、脊椎腫瘍、椎骨圧迫骨折、骨粗鬆症によるもの、心因性のものなどがあります。

これらの中で、緊急を要する器質的疾患が疑われるもの、悪性のもの、中枢神経症状があるものは不適応疾患になります。

腰痛症の原因はたくさんありますが、多くは筋や靱帯の疲労、炎症、捻挫によるものです。これらは急性と慢性に分けられ、急性のものを一般に「ギックリ腰」と言います。

私見では筋の疲労に冷えが加わっているもの、中でも不良姿勢により異常に筋が緊張することによって筋疲労が起こっているものが多いと思います。日頃から筋に負担をかけているんですから、それに加えて冷えたとか重い荷物を持ったとか勢いよくくしゃみをしたなど少しのプラスアルファの要因でギックリ腰になる人が多いのではと思います。

東洋医学での腰痛症

さて、東洋医学では身体を形作っているのは「血:ケツ」です。医学用語などはほとんど音読みをしますので「血」は「ケツ」と読んで下さい。そして、血は全身の組織を滋養し、潤いを与え、精神活動にも深く関与します。当然筋肉も血の作用によっていろんな動きが可能という訳です。そして血は気の作用によって全身に運ばれます。

では、腰痛とはどのような状態かと言うと、簡単に言うと血の滞りが原因で潤いが無くなり引きつっている状態です。血が滞るにはいくつか原因はありますが、血が滞って引きつった筋は硬く凝り固まって短くなっています。だから身体を動かす時に筋を伸ばすような動きになると激痛になるのです。

そして「冷え」は陰陽では陰で固める作用があります。逆に暖めると和らげる作用という事になります。「冷え」は筋を硬くしますから更に拍車をかける形になるのです。

特に腰から下は冷えやすいです。明方に脹脛(ふくらはぎ)がこむら返りになった経験をお持ちの方は多いとおもいますが、これは「ひえ」と「疲労」によって起こったものがほとんどです。

脹脛のこむら返りは正式には腓腹筋痙攣といいますが、脹脛の後面の筋肉が過剰に収縮して元に戻れない、つまり伸ばせない状態です。筋肉の中には神経も通っているので「筋肉が切れては大変!」と激しいサインを出すのです。

少し話しが脱線しているような気もしますが・・・そして「冷え」とはどうつながるかというと、身体の中にはたくさん臓器がありますが、心臓や肝臓などの内臓は体幹(手足、頭部以外の部分)にあります。血は各臓器を滋養しているのですから、当然、ほとんどが筋、神経、骨の手足より生命維持に重要な内蔵が優先されます。

血液は体内に60kgの人で約5L程度しかないので、すべての臓器や筋に常に運ばれている訳ではないのです。必要なところに必要な量を送っているので、身体が冷えれば血は内臓に集められるという訳です。そうすれば手足の血は少なくなって筋が引きつりやすいのです。

更に明方の4時や5時は一日の中でも気温が最も下がりますし、体温もそのぐらいの時間帯が最も体温が低いのです。そして布団などを蹴っ飛ばしていたりすればてきめんです。

 そして筋肉に疲労が溜まっている状態では、筋肉は本来の弾力性がありません。疲労が溜まっていない時のように伸び縮みができないのです。疲労の原因にはいろいろありますが、筋のグリコーゲンなどエネルギー源の消耗、乳酸や代謝産物の蓄積、酸塩基平衡、イオン分布、浸透圧、ホルモンの濃度などが考えられます。このような状態に「冷え」が加わると血流はさらに低下し過剰に収縮したまま元に戻れなくなるのです。

かなり話がズレましたが、腰周辺でも同じように日常的に不良姿勢などによって疲労が蓄積している状態に冷えたり、過剰な付加がかかったりして腰痛を発症している事が多いのです。

また、腰椎と大腿骨をつないでいる筋や臀部と大腿部を繋いでいる筋はたくさんあります。なので、足の筋の引きつりによって背腰部が引っ張られて付加がかかるということも多いです。

古典医学での腰痛症

さて、古典書物では腰痛がどのように記されているか少し書いてみます。

霊枢・経脈の膀胱足太陽之脈の是動に「背が痛く、腰は折れるよう、大腿は曲げられない」とあります。肝足厥院之脈の是動に「腰痛で、腰を前後に曲げられない」と書かれています。

素問・刺腰痛篇には「足太陽脈の腰痛は、後頚部と背骨から尻まで突っ張る。背中が重い」

「足少陽の腰痛は、針で皮膚を刺すようである。徐々にひどくなって、腰を前後に曲げられない」

「陽明の腰痛は、腰をひねれない」

「足少陰の腰痛は、背骨の内側が突っ張って痛む」

「厥陰の腰痛は、腰中が、強い弓の弦が張ったように突っ張る」

「解脈の腰痛は、帯を引っぱられるようなありさまである。いつも腰が折れている」

「同陰の腰痛は、腰の中に金槌でも入っているようで、腫れぼったい」

「陽維の腰痛は、痛む上が腫れぼったい」

「衡絡の腰痛は、腰を前後に曲げられず、身体を反らすと倒れそうになる。重いものを持ち挙げて腰を傷付けたものである」

「会陰の腰痛は、痛む上にビッショリと汗をかく」

「飛陽の腰痛は、痛む上が腫れぼったい」

「昌陽の腰痛は、痛みが胸まで及び、目がぼんやりし、ひどければ反り返る」

「散脈の腰痛は熱い。熱がひどいと煩躁する。腰の下は、横木が中にあるようだ」

「肉里の腰痛は、咳ができない。咳をすると筋が引きつる」

「腰痛で、背骨を挟んで痛く、それず頭に達して引きつり、目がぼんやりして倒れそうになる。足太陽の委中を刺して出血させる」

「腰痛で上部が冷えれば、足太陽と陽明を刺す。上部が熱ければ、足厥陰を刺す。前後に曲げられなければ、足少陽を刺す。中が熱くて喘げば、足少陰を刺す。委中を刺して出血させる」

「腰痛で、上部が冷えてひねれなければ足陽明を刺す。上部が熱ければ足太陰を刺す。中が熱くて喘げば、足少陰を刺す。腰痛で便秘があれば、足少陰を刺す。下腹が脹れば、足厥陰を刺す。腰が折れるように痛み、前後に曲げられず、腰を挙げることがきなければ、足太陽を刺す。背骨の内側が突っ張れば、足少陰を刺す」

「腰痛が下腹に及び、脇腹が腫れぼったく、身体が反れなければ、腰と尻が交わるところを刺す…刺鍼すれば、ただちに治る」

というように腰痛はいろんな形で記載されています。腰痛は人が二足歩行を始めた時からの宿命のようなものかもしれません。

和み堂の腰痛症の治療

血の滞りや不足には血を増やす経穴(ツボ)を用います。血の巡行を改善する事によって筋を元の元気な筋にします。筋の引きつりがひどい場合は特に凝り固まったところに刺鍼し、筋を緩める鍼を行います。

あん摩・マッサージ・指圧で治療する場合は臀部(おしり)、大腿後側、内転筋群(大腿内側)の影響のでている筋を中心に施術します。

ギックリ腰の場合はあん摩・マッサージ・指圧より鍼治療をする方が効果的です。慢性的に腰痛があるとか、状況にもよりますが、ギックリ腰は軽症であれば一回の治療で治ります。ひどい場合でも一回の治療で症状は半分以下になります。経験上ではトータルで3回ほどで治る方が多いです。

よく使う効果的なツボ

腎兪、志室、大腸兪、腰眼、胞肓、次リョウ、陽輔、委中、僕参、申脉など。

注意事項

ギックリ腰の場合、治療後の飲酒は厳禁です。負担のかかった筋はほとんどの場合で程度は様々ですが、炎症を起こしています。暖める事によって一時的に痛みは軽減しますが、反動で幹部は冷え、痛みは増強します。かならず冷やして下さい。長期的には温めていく必要がありますが、初期段階では冷却することが重要となります。

アイシングを行う際は尤も理想的な冷やし方は氷嚢で冷やすことですが、冷却パックでも構いません。判断がつかない場合はご相談ください。

「冷湿布と温湿布とどちらが良いか?」というご質問を受けることがありますが、効能はどちらでも同じです。湿布剤には冷やしたり温めたりする作用はありません。含まれる成分によって冷たく感じたり暖かく感じるということになります。皮膚表面の温度が多少は低下しますが、それは湿布剤に含まれる水分が蒸発する時の気化熱によ るものということで、身体の深部を冷却する効果はありません。ちなみにこの気化熱によって冷湿布で3℃程度、温湿布で2℃程度皮膚表面の温度が変化するとされています。ですから、湿布はしいて言うなら冷やす方向を向いていると言えるでしょうか。

湿布剤には冷やしたり温めたりする作用はありませんが、鎮痛成分が浸透することで、痛みの軽減が期待できますので、急性期には湿布剤の使用も効果が期待できます。

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