梅核気(ばいかくき)の鍼灸治療
梅核気とは
梅核気とは梅の種が喉に閊えたような症状で、吐き出そうとしても吐き出せず、飲み込もうとしても飲み込めないというような状態を言います。耳鼻咽喉科や呼吸器科などで検査を受けても異常は見つかりません。精神的な要因が深く関与している症状でもあります。ヒステリー球や神経性咽喉頭部狭窄症とも言われます。
東洋医学では「気」が全身をスムーズに巡行することによって、心身が正常に機能すると考えますが、梅核気では喉付近の気の流れが阻害されている状態で、更に気の停滞によって喉に痰飲が生じている状態です。
梅核気は古くからある病で、「金匱要略」という古典書物には
『咽中如有炙肉、呑之不下、吐之不出。常兼見胸痞悶、気鬱不暢、逆悪心…』
という記述があります。『咽に炙った肉のようなものがついていて、飲み込めず、吐き出せない、また、胸が閊えたり、気分が憂鬱で、気持ちが悪い…』というような内容です。
和み堂の梅核気の鍼灸治療
梅核気は五臓の肝や脾との関わりが多い疾患です。個々の状態は脈診や腹診を行わないと決定できませんが、主に肝経を中心に陰後部を通る経絡である任脈、大腸経、胃経、腎経などの経絡の変動を整え、気血の巡行を正常に行えるように全身のバランスを整える治療を行います。
梅核気の鍼灸治療でよく使用するツボ
天容、天突、内関、神門、曲池、(ダン)中、鳩尾、中(カン)、気海、関元、足の三里、三陰交、 太谿、太衝など
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