陰陽論とは
陰陽論は相当古い時代からある思想です。一般的に陰陽は易(えき)から始まったと言われています。
陰陽はこの世のすべての物質や現象を陰と陽に分けて把握しようとした考え方です。しかし、陰に分類された物質や現象は完全に陰かというとそうではなく、陰の性質の中にも陽の性質があったり、また、陽の性質の中にも陰の性質があったりします。
「陰中に陽有り」「陽中に陰有り」というふうに言われたりします。
物質や現象は天は陽、地は陰 太陽は陽、月は陰 火は陽、水は陰 男は陽、女は陰 春夏は陽、秋冬は陰 昼は陽、夜は陰というように分類されます。これはなんとなくイメージでもお分かり頂けると思います。
また、このように互いに相手があって存在する事を「陰陽互根」と言います。
そして、更に性質や働きも陰陽に分類する事ができます。暖める、動かす、和らげる、発散、出る、上るは陽に分類され、冷やす、沈める、固める、収斂、入る、下るは陰に分類されます。
このような陰陽の働きや性質はどちらか一方だけ作用するのではなくて、常に相対的に働きます。これは陰陽のひとつの特徴でもあります。
陰陽論には他にも特徴というか法則があって、主要なものとしては次のようなものがあります。
- 陰陽は常に交流、循環してバランスを保っている
- 一方が強くなれば、一方は弱くなる 【陰陽消長】
- 陽が強くなり過ぎると陰が出現し、陰が強くなり過ぎると陽が出現する 【陰陽転化】
- 陰陽それぞれの中も陰陽に分けることができる 【陰陽可分】
このような法則を説明するのによく、季節で説明されますが、分かりやすいのでここでもまた季節を例に挙げると以下のようになります。
「春が来ると、次に夏(陽中の陽)が来て、いずれ秋が来て冬(陰中の陰)が訪れ、やがて陰が極まって春がやって来る。」
さらに一日の太陽の運行と合わせて考えると、春分は日の出と、夏至は日中と、秋分は日の入りと、冬至は夜中がそれぞれ対応します。春分(日の出)と秋分(日の入り)は陰陽のバランスがとれていて、夏至(日中)は陽が優勢になり、冬至(夜中)は陰が優勢となった状態です。
このようにすべての物質、現象、生物や自然は陰陽に分ける事ができますが、同時に上記のような法則によってバランスを取っています。ところが、陰陽のバランスが崩れるといろんな天変地異などが起こり、邪気となって病気を引き起こすという考え方が陰陽論なのです。
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